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【読書のススメ】オンボーディング - 新卒入社者・中途入社者の組織適応のプロセス

「オンボーディング」という言葉を聞いたことはありますか?この数年でにわかに耳にするようになりました。最初は「またカタカナ用語かー」と思い、ちょっと距離を置いていました。が、各方面での話を聞いているうちに、勉強した方が良さそうだと思い直し、何冊か本を読みました。今日はその時に勉強になった本をご紹介します。

そして、オンボーディングとはちょっとずれますが、中途入社者・新卒入社者におすすめな本もあわせて紹介してみようと思います。

オンボーディング(on-boarding)とは

経営学者の尾形真実哉(まみや)先生による説明を引用します。

本来、『オンボーディング(on-boarding)』とは舟や飛行機に乗っているという意味です。新卒採用者であれ、中途採用者であれ、会社という「乗り物」に新しく加わった個人を、同じ乗組員としてなじませ、一人前にしていくプロセスのことを指します。

- 尾形真実哉(2022)『組織になじませる力 オンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ』アルク

平たく言うと、新参者を受け入れる側が、新参者を組織適応するプロセスのことです。(入社者本人の努力や試行錯誤ももちろん必要)自己責任論が強く、業務に忙殺されやすい現代の日本企業は、あまり新参者に優しくありません。また、新参者も、認められるために早急に結果を出そうとして失敗したり、入社同期とばかりつるんで必要な社内ネットワークを構築できずにいたりと、苦戦する方が多いようです。(確かに、そういう人をたくさん見てきた気がします)そういった様々な要因により、せっかく採用できた優秀な人材の離職や、活躍できないまま社内でくすぶらせるなどの状況を引き起こしている可能性があるので、その対処法を提案してくれる「オンボーディング」が注目され始めたように思います。

 

新卒入社者・中途入社者を受け入れる側が読むと良い本

経営学者の尾形真実哉(まみや)先生の本にわかりやすくまとめてあります。1冊だけ読むのであれば、『組織になじませる力』をおすすめします。複数冊読んでみようかな、と思う場合は、以下2冊目の『中途採用人材を活かすマネジメント』もぜひ読んでみてください。内容が重複する部分はありますが、転職者の受け入れについて、より詳細部分を理解できると思います。

注意事項として…
尾形先生は研究者なので、民間の人間から見て、「できたら良いのはわかるけど、これは本当に実践できるかしら…」と思うようなことも書いてあります。だからと言って、この人は民間企業をわかっていない!!と否定するには勿体ないです。まずは新卒入社者・中途入社者の現状を把握する、あるいは構造を理解するために読んでみてはいかがでしょうか?(この辺の感覚は、企業や人によると思います)

 

『組織になじませる力 ~ オンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ』

www.alc.co.jp

 

中途採用人材を活かすマネジメント―転職者の組織再適応を促進するために』

www.kinokuniya.co.jp

 

中途入社者本人が読むと良い本

いつもながら、中原先生の本はとても読みやすく、ありがたいです。。さらっと読めるので、お忙しい社会人の皆さまにおすすめです。

東京大学から立教大学へと所属を変え、コミュニケーションの相手が社会人学生から一般的な大学生にシフトして戸惑った中原先生の体験をもとに書かれているので、研究者の本とは言えど、納得感が強いのかもしれません。

新卒を複数人採用するような企業に入社する新卒入社者に該当する部分はあまり無いと思うのですが、スキルを買われてベンチャー等に入社する方には当てはまるかもしれません。また、将来の転職時の参考情報として読んでみるのも良いかもしれません。

 

『働くみんなの必修講義 転職学 人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは』

www.kadokawa.co.jp

 

 

新卒入社者本人が読むと良い本

べたですが、以下のような本が読みやすくて良いと思います。それなりの規模の会社に入社すれば、新入社員研修もありますし、企業によって必要なスキルは異なることもあるので、まずは大枠を理解する、という感じで。

 

『社会人1年目の教科書 「伸びる人」の習慣 「伸びない人」の習慣』
Kindle unlimitedで0円です。さくっと読んでみても良いかも。ぴんと来なかったら、似たような他の本を探してみてください。いっぱいあるので、私も全部は読めていません。(Amazonのリンクが貼れないので、紀伊国屋のリンクを貼ります)

www.kinokuniya.co.jp

 

もう一冊、こちらは、新社会人に限定せず、中堅が自分の仕事の進め方を見直すのにも有用ではないか、と思う本です。人によって考え方は様々ですが、他者と自分の考え方・仕事の進め方を比較していくことで、気づけることは多いです。すべてを真似しなくても良いので、考えるきっかけを得るための本としてもおすすめです。

 

『仕事の教科書 きびしい世界を生き抜く自分のつくりかた』

www.nihontosho.co.jp 

 

 

「オンボーディング」を広く捉えてまとめてみました。

新卒・中途問わず、これからどこかの組織に参入する方、あるいは、そういう方々を受け入れる方の参考になったら嬉しいです!